安藤遼希さんは、小6の8月にまつがく新潟木戸校に入塾しました。私立新潟明訓中学校を目指していましたが、そのモチベーションは意外なところにありました。プロサッカー選手になりたい夢をかなえるために大学進学を考え、それは選手引退後のセカンドキャリアにも繋がっていくのではないか、と自分で結論を出していたのです。
中学受験には少々遅めのスタートではありましたが、諦めずに努力を続けて合格を手にします。
安藤さんの中学受験を、校舎長の石田先生と振り返ってもらいました。
安藤遼希さんのデータ
●出身小学校/新潟市立牡丹山小学校 ●これからの目標・夢/プロのサッカー選手になるのが夢 ●サッカーは年長からクラブチームに所属 ●明訓中学校の受験方法は時期が早い順にA方式(事前提出書類〈作文〉・調査書・親子面接・集団活動)、B方式(学力調査〈国語・算数〉・調査書・親子面接・集団活動)、C方式(調査書・面接・課題作文)がある
| 小6・8月 | 夏休み期間に体験授業を経て入塾。1回80分、週3回のペース。 | 
|---|---|
| 9月 | 初めてのMIC(まつがく・インディビジュアル・コーチング)で、新潟明訓中学校合格のための受験勉強とスケジュールについて詳しく話し合う。将来の夢であるプロサッカー選手になるために、サッカー選手を多く輩出している法政大学を目指し、セカンドキャリアについても本人の考えを話してもらう | 
| 10月 | 新潟明訓中の過去問を1週間で1年分進めながら、できていない単元はatama+で復習する | 
| 11月 | 11月上旬のA方式受験は不合格。A方式の事前提出作文に時間を費やし、atama+に遅れが出つつも、約3週間後のB方式受験に向けて勉強を進める | 
| 12月 | B方式で新潟明訓中に合格。中学の英・数をatama+で予習スタート。3月末までに英語はbe動詞・一般動詞まで、数学は文字式まで終わらせることを目標にする | 
| 3月 | 目標の8割程度まで終了 | 
| 中1・現在 | 予習ベースでatama+を進めている | 
1. 将来の夢を自分で調べる
プロ選手を引退したら……
 
																		- 石田
- 新潟市では中学受験を目指す人はそんなに多くはありません。遼希くんの小学校からは、同級生で受験したのは5人でした。初めて遼希くんと話し合った時、新潟明訓中を目指している動機に驚きました。 
- 安藤
- 僕の夢はプロサッカー選手です。お父さんがもともとサッカーをやっていて、僕は公園でボール蹴りをするところからはじめて、年長の時にクラブチームに入りました。お父さんからは「プロには簡単になれないよ」と現実を教えられて、自分でいろいろ調べました。そうすると、法政大学からプロ入りしている選手が何人かいることを知って、法政大学を目指したいと思いました。 
- 石田
- サッカー選手の平均引退年齢も教えてくれましたよね。「セカンドキャリアも考えないといけない」と言っていたのには驚きましたよ。 
- 安藤
- 人生のキャリアを考えると、明訓中・高に進学するのがいいんじゃないかなと思いました。ここで勉強をがんばれば、プロを引退したあとも、いい企業に就職できる可能性にもつながるので。 
- 石田
- そういうことは、どうやって調べたの? 
- 安藤
- 学校のタブレットで調べていました。 
- 石田
- 遼希くんは、検索が上手なんだね。ちゃんと欲しい情報にたどり着けています。まつがくを選んだのは、なぜですか? 
- 安藤
- 家から近かったからです(笑)。いつも看板を見ていました。 
時間がない中での受験準備
 
																		- 石田
- 1回80分、週3回という通塾ペースではじめてもらいました。atama+で算数をやって、国語は問題集をやってもらいました。 
- 安藤
- 4年生から6年生の範囲のatama+は、早く終えることができたのでよかったです。 
- 石田
- とはいえはじめたのは8月からで、総ざらえをする時間はなかったので、苦手なところをピックアップしてやってもらっていました。 
- 安藤
- 模試で苦手なところ、点が取れていないところを潰していく感じでした。 
- 石田
- 10月からは過去問に移りました。5年分を2回ずつやったかな。1回目でけっこういい点が取れていて実力はあることが分かりました。ただ、なかなか点が取れない年がありましたね。遼希くんが苦手な問題が出ていたからじゃないかと思うんですが。 
- 安藤
- ここからは時間との闘いでした。合格に向けて、自分が今どの位置にいるのかがなかなか分からなくて、そこが一番苦しかったです。 
2. きっと、だいじょうぶ
受験のチャンスは2回
 
																		- 石田
- 明訓中の入試は3方式の受験が用意され、そのうちの2方式まで受験可能です。つまり2回チャンスがあります。 
- 安藤
- A方式は調査書があって、課外活動や生徒会活動などをやっていないと難しいです。それで、僕はB方式で合格できるようにしたいと思っていました。 
- 石田
- とはいえ、A方式もトライはしたかったから、事前提出の作文をがんばっていましたね。過去問とatama+と並行してだったから、大変だったよね。 
- 安藤
- 作文の提出がギリギリになってしまって、自分の中では「これでいいのかな……」と少し心配になる内容だったんですが、何とか終わらせました。 
- 石田
- 作文や面接の練習は学校のほうでかなりやってくださったので、まつがくではB方式対策に全振りできました。といっても、やはり作文などA方式対策が忙しくて、まつがくでの勉強は理想的な感じでは進んでいなかったかな。 
- 安藤
- 定期的なミーティングで励ましてもらいました。自分の中で「ここ、だいじょうぶかな?」と思っていると、先生が積極的に話しかけてくれて、サポートしてくれたので、とても心強かったです。 
みんなが喜んでくれることが嬉しかった
- 石田
- B方式の受験本番では、95%くらい埋められて、手ごたえがあったと言っていましたね。 
- 安藤
- はい。たぶんだいじょうぶかなという感じでした。 
- 石田
- 親御さんやご家族はどうでしたか? 
- 安藤
- 「まあだいじょうぶでしょう。落ちたら高校から入ればいい」という前向きな感じでした。 
- 石田
- クラブチームの仲間はどうでしたか? 
- 安藤
- 受験しない友だちもみんな、「受かったよ」と伝えたら大喜びしてくれました。 
- 石田
- クラブチームにも毎日行っていて、受験まではサッカーのペースは落とそうかということがなかったですね。実はちょっとハラハラしていたんですが、遼希くんがそうしたいならそれを前提としてやっていこうと。遼希くんの実力ならだいじょうぶだろうという目算があったからできたことですが。 
- 安藤
- 合格してみて、みんなが喜んでくれることに対して喜びを感じました。みんな「よかったね~」くらいだろうと思っていたら、想像以上に喜んでくれて。 
- 石田
- 合格は、どうやって知りましたか? 
- 安藤
- これも学校のタブレットです(笑)。友だちが確認してくれました。石田先生への連絡が遅くなってしまって……。 
- 石田
- だいじょうぶだろうと思っていましたが、「もしや?」と思って、ちょっとドキドキしていました。 
3. ボールを奪われてもあきらめない
合格後はすぐに中学の予習へ
 
																		- 石田
- 合格後はすぐに中学の予習へ進みました。明訓高校の生徒がこちらに入塾してくれて、驚くほどの速さで授業が進むと聞いていました。遼希くんは、受験が終わってサッカー三昧したかったとかはなかったですか? 
- 安藤
- それはなかったですね。大事な大会は秋に終わっていたので。受験勉強を通して、サッカーでボールを奪われても、あきらめずに奪い返す力が少しは身についたかなと思います。 
- 石田
- がんばったことが、受験合格以外にもいい影響をおよぼしたのは、よかったです。中学の予習は、英語と数学をatama+を使ってはじめました。3月まで週3で通い続けてもらいました。入学後、5月には初めての定期テストがありました。 
- 安藤
- atama+で予習はしていたとはいえ、初めてということもあって、どのように勉強したらいいのかわからない不安もありました。教科によって、そこそこいいなというものもあれば、よくないものもあって。 
- 石田
- 授業は、公立中と比べて倍くらいのスピードで進みますからね。しかも、中学の数学が計算系は代数、図形系は幾何というふうになっていて、内容的にも難易度が高いなと感じました。 
- 安藤
- 予習が追い抜かれそうです……。 
- 石田
- サッカーも、所属するクラブチームは変わったけれど、しっかりやっているもんね。 
- 安藤
- 土日はどちらも試合があって、平日は2日練習があるので。学校で英語部にも入りました。 
- 石田
- 忙しくなりましたね。今は変則的な通塾にしています。 
- 安藤
- けっこう大変ですが、授業は何とかついていっています。 
高校生の姿に憧れる
- 石田
- 勉強は少し余裕のある状態で、予習ベースで進められるといいですね。指定校推薦や総合型選抜などで法政大学に入れれば、それはそれでいいかなと思いますが、となると定期考査も大事になります。先日、遼希くんと話をしている時に、高校生は通学時間にatama+をやっているという話をしたら、日曜日だっけ? 
- 安藤
- はい。少しですけど、日曜日の朝にatama+をやりました。 
- 石田
- そういうすきま時間を利用できると、違ってきますよね。遼希くんなりの努力をしてくれているんだと思って嬉しくなりました。受験を通して、一番力がついたところはどこですか? 
- 安藤
- 何回も繰り返す力だと思います。1回できなかったところも繰り返してやると解けるようになって、達成感がありました。 
- 石田
- 素晴らしいですね。明訓中は新潟一の私立中ですから、環境的にはかなり大変で、学校の勉強についていくこと自体がなかなか難しい学校だと思います。ただついていくのではなく、遼希くんが自分でリードできるようにサポートしていきたいです。 
- 安藤
- まつがくに入って、本当によかったです。過去問を繰り返し解いていた時のように、あきらめずに努力したいと思います。 
- 石田
- 中学は楽しいですか? 
- 安藤
- すごく楽しいです! 先日文化祭があって、高校生の姿を見て「かっこいいな」と憧れました。 
- 石田
- 高校生はすごく大人に感じますよね。遼希くんも3年後、そうなりますよ。これからも、サッカーと勉強両方あきらめずにがんばってください! - (取材・文/くりもときょうこ) 
 
																		 
					 
									