卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

危機感を感じたお父さんのすすめで、高校受験のためにまつがく信州中野校に入ったK・Tさん。物理が好きで、夢はブラックホールを研究する物理学者。高校はハードな部活との両立に苦心しながらも、必要と思えばやってみる素直さと自走できる力を味方に、短時間でも塾に通い続けることに注力しました。同じく物理が好きな信州中野校校舎長の黒岩祐太先生と、国立大学の学校推薦型選抜合格までを語り合いました。

K・Tさんのデータ)

●出身校/長野県飯山高等学校探究科 ●将来の夢/物理学者

中3・4月
4月

中3
4月

高校受験のために信州中野校へ入塾

中3・3月

飯山高等学校探究科合格

高1・6月

飯山高等学校探究科に合格後もまつがくを続けるもバドミントン部との両立が大変で退会を検討。三者懇談で継続を決意し、とにかく通塾が途切れないことを目標にする

高1・3月

1年生の評定平均は4.4。本格的に推薦での大学受験を意識しはじめる

高2・3月

将来の夢から逆算し愛媛大学理学部物理学コースを志望。2年生の評定平均は4.2

高3・9月

学校推薦型選抜の校内選考に通過

 10月

共通テスト対策をしながら、面接の練習を繰り返す

 11月

愛媛大学学校推薦型選抜の一次試験を受ける

 12月

一次試験合格。プレ共通テスト模試でC判定

 1月

共通テスト後は国公立前期試験に向けて勉強する

 2月

愛媛大学理学部物理学コースに学校推薦型選抜で合格。

1 言われたことをやってみる素直さを力に

天の川が物理学者の夢の入り口に

黒岩

Tくんの物理学者になる夢は、子どもの時に天の川を見た体験がきっかけだったそうですね。その時のことを教えてもらえますか?

K・T

小3か小4の夏休みの宿題で、夏の大三角を見るのに地元の山へ祖父と一緒に行きました。星がありすぎてすごいなと思って、宇宙に興味を持ちました。

黒岩

その後宇宙に関する小説や映画に触れる中で、ブラックホールというテーマにたどり着いたそうですね。どういった作品が印象に残っていますか?

K・T

映画は『インターステラー』一択です。最高の映画ですよ。

黒岩

『インターステラー』はブラックホールも出てきますね。なぜブラックホールだったんですか?

K・T

ブラックホールには、宇宙で最速の光すら出せないほどの強い重力があります。それに、本当に存在するか分からなかった理論上の天体だったんですよね。すごくロマンを感じて研究してみたいと思いました。

黒岩

なるほど。

ところでまつがくに入ったのは中3の4月で、高校受験のためだったんですね。広告で知ってということなんですが。

K・T

父から「このままではまずい」と、強制的に連れてこられたんです。俺は最初、絶対嫌だと言って塾を拒否していました。

黒岩

ブラックホールに吸い込まれるように連れてこられたんだね(笑)。飯山高校へ行きたい気持ちは前からあったんですか。

 

K・T

中学の時の理科の先生が、飯山高校の探究科はいいよと教えてくれていました。でも、野球部で忙しかったし、勉強はしていませんでした。興味があるものを勉強するのは好きですが、興味が持てない国語とかを勉強するのは嫌でした。

黒岩

塾に通うのは嫌だけど、お父さんの言うこともわかるからしょうがないという感じだったのかな。

K・T 

その通りです。

黒岩

最初、高校受験合格を目的に5教科を一通りやっていましたね。初めてのatama+はどうでしたか?

K・T

すごくいい教材だと思いました。でも毎週土曜日の、5教科のテストをやる「受験トレーニング」はつらかったなぁ……。

黒岩

みんなそう言うよ。やっていく中で力がついてきた感覚はありましたか?

K・T

ありました!ありました!学校のテストや模試の点数が上がったのもそうですし、ちゃんと自分で理解できている感覚があったのが大きかったです。

黒岩

いちばん伸びた科目はありましたか?

 

K・T

英語です。単語をしっかりと覚えたのもありますし、atama+で文法の構造を理解したのも大きかったです。

黒岩

高校に入学した2ヵ月後には、部活との両立が大変で塾をやめたいと言っていましたね。僕はちょうどその頃、信州中野校に赴任してきました。ここでまたお父さんが……。

K・T

「今のうちからある程度はやっといたほうがいいぞ!」と、引き止められました。

黒岩

Tくんはお父さんのことが好きで、尊敬していますよね。お父さんもTくんをすごく応援してくれています。

K・T

いろいろ言ってくれて「やらないとな」という気持ちにさせてくれます。部活から帰ってきてご飯を食べて、塾はめんどくさいなぁ……となっている時に、「早く行くぞ」と声をかけて連れていってくれていました。叱られることも多かったですが(笑)。

部活と勉強の両立を第一に

黒岩

高校ではバドミントン部に入りました。

 

K・T

小学生の時の野球コーチが、ボールを投げる動作とバドミントンのラケットを振る動作が似ているから、バドミントンをやろうと言い出したことがあったんです。やってみたら上手にできて、楽しかった記憶があります。

黒岩

部活はすごくハードだったよね。

 

K・T

部長が県大会を目標にしようと言い出して、それに合わせて先生が組んだトレーニングがものすごくハードで……。疲れきった状態でまつがくへ行くのが、だるかったです。

黒岩

よく続けましたね。

K・T

バトミントン自体が楽しかったし、同じクラスの人もいっぱいいたので。まつがくは、帰宅した20時からでもいいからとにかく行こうということで両立することにしました。

黒岩

それを週2~3回、1時間でもいいから勉強しようと。僕からLINEも飛んでくるしね(笑)。

 

K・T

疲れすぎて休むと、黒岩先生からLINEで呼ばれていました(笑)。

 

黒岩

部活は友だちづきあいも楽しかったんでしょうね。受験期も支え合う関係性だったんですか?

K・T

そうですね。みんなすごく頭がよくてもっと上の大学を目指してしっかり勉強しているから、自分もやらないとヤバいと、雰囲気に流されてやってました。

 

黒岩

Tくんは素直だよね。お父さんの言うことも聞くし、LINEで呼べば来てくれるし、同級生の勉強モードにもいい影響を受けて。言われたことをまず素直にやってみるのは大事なことです。そして、1年生の時の評定は4.4。順調でした。探究科の中での順位はどれくらいだったんですか?

 

K・T

約60人で20番台くらいです。

黒岩

上位3分の1くらいだったんだね。愛媛大の名前が出てきたのは高2の時でした。

K・T

高2になって担任の先生から大学のことを考えたほうがいいと言われて調べてみたら、ブラックホールの研究ができて自分にあいそうな大学が愛媛大だったんです。

2 面接練習で自分を深めていく

とにかく継続して来てもらう

黒岩

高1の時から学校推薦型選抜を意識しはじめましたね。中学から続けてきてくれていたので評定を上げる作戦をとりました。評定が高ければ推薦が狙えるので。

K・T

お父さんからも「推薦は楽だぞ」とずっと言われていました。

黒岩

そうです。僕とお父さんの作戦です! それで高3の5月に部活を引退するまでは、とにかく継続して来てもらうことを意識していました。

K・T

まんまと乗せられてたんですね(笑)。

黒岩

Tくんのいいところはやろうと思ったことを勉強と思わずにできるところですね。単語やらなきゃと自覚すればこちらが突っつかなくてもやるから、勉強する時間だけ切らさないようにフォローしていました。そういう勉強の仕方は、いつからできていたんですか?

K・T

いや、勉強の仕方はわかんないですね。ただatama+を理解できるまでやっていただけです

一次試験を通過しても2.6倍の倍率

黒岩

高3の最終的な評定が4.2だったので、まず愛媛大の学校推薦Ⅱ型に挑戦することにしました。一次試験は口頭試問つきの面接と共通テストの合わせ技です。9月の校内審査に通過する前、夏休み中から面接対策の準備をはじめました。

K・T

口頭試問があると知って最初はちょっとビビりました。とりあえず用語の意味を理解できるまで物理の教科書を読むことから始めました。

黒岩

面接対策に関しては、最初に書く校内選考用の志願理由書を利用して、書くことで軸をひとつつくるところからはじめました。Tくんは、物理学で宇宙の研究をしたいという軸はすんなり見えてきました。中でもブラックホールに関心があって、なぜ愛媛大なのか、その先どうなりたいのか……と深めていきました。それに具体的な原体験とストーリーもつけて。でも実際に練習してみると…Tくんは要領がいいので最初から答えられてはいたんだけど、いかんせん浅かった。もう1歩2歩深掘りさせることを意識して……結構めんどくさかったよね。

K・T

先生が初めて鬼に見えました(笑)。

黒岩

僕がどんどん問いを重ねていくものだから、「これでもダメですか?」と泣きが入っていました。きつかった?

 

K・T

はい(笑)。でも、気づきもたくさんありました。自分で考えていくうちに、「こんなこともあったな」と思い出したり、「やっぱりこれがきっかけかな」と気づいたり。

黒岩

天の川のエピソードも、その中で初めて聞きました。面接は、前日に練習した時にはちゃんと答えられるところまできていたので、安心して送り出しました。

一次試験は11月23日でした。手ごたえはどうでしたか?

K・T

口頭試問でひとつだけちゃんと答えられなかったのが気がかりでした。答えられなかったのはたしか、「運動量が保存される条件は何ですか?」だったかな。

黒岩

12月に一次試験に合格しました。一次試験を通過していたのが13人だったんだよね。最終的な合格者数は……。

K・T

5人です。一次を通過しても倍率2.6倍で、めっちゃビビりました。

3 高1から積み上げて推薦合格というスタイル

中学の時に頑張ったベースが活きた

黒岩

面接練習と並行して共通テストの勉強も頑張っていました。

K・T

ちょっと遅かったですね。一次試験が終わって、倍率の高さに焦ってからちゃんとやりだしたんですよ。好きとか嫌いとか言ってる場合じゃないなと思って。

黒岩

Tくんらしい(笑)。だからこそ、推薦しかないと思っていました。高1からずっとそんな感じだったから。一次が受かるともう受かった気になる生徒さんは多いので、「そうじゃない。共テがすべてだ」と常々言っていました。愛媛大の推薦Ⅱ型は一次試験と共テの配点が同じなので、共テもおろそかにできない。とはいえ、共テの模試である程度得点できていたので、過度な心配はしていませんでし

K・T

共テ直前の模試はC判定でした。

黒岩

そうだったね。でも今のこのペースで勉強していてC判定なら、最後追い込めばいけるだろうと思ってましたよ。

 

K・T

それが本番では得意の物理でこけてしまって。

面接の時に「物理好きなんでいっぱい勉強してます」と言ったのに、この点数はヤバいなと思いました。

黒岩

今年は難しかった。センター試験時代も含めて過去最低の平均点でした。

逆に文系科目のほうがいいという、逆転現象が起きていました。苦手な古典も頑張っていたからね。

K・T

英語も単語をやって読めるようになったので、古典も単語をやればいいんじゃないかと思って、学校から配られた単語帳を読むようにしていました。漢文はみんなが使っている参考書を真似して買ってやっていました。それでも漢文が少しわかるようになった程度で、共テ直前はほぼ運だなと思っていました。だから、本番で思ったよりできて驚きました。

黒岩

英語も、中学の時に頑張ったベースが活きたんじゃないかな。中学で文法の構造が理解できるようになったから、高校では単語中心にやっていったからね。

K・T

そうですね。単語だけやって長文を読めるようにしようという感じでした。いずれにしても、共テは目標点数に届かなかったので、終わったなと思いましたね。

やっぱり、自分の力で理解したい

黒岩

それで一旦推薦のことを忘れて、前期試験を受けるつもりで勉強に取り組みました。

 

K・T

愛媛大の前期試験は物理1科目だけで、俺のためにあるような試験でありがたかったです。

黒岩

楽しんで勉強していたよね。過去問10年分を目標にしていたけれど、終える前に合格しました。

K・T

合格発表は2月9日でした。

黒岩

まつがくで見ましたね。僕がいるカウンターの横の席で勉強していて、「先生受かりました」って(笑)。ほっとしたでしょう。

K・T

すごくほっとしました。

黒岩

Tくんは、受験勉強を通していちばん力がついたのは、「わからないことを理解するまで調べ尽くす力」と言っていました。これはさっきの話にも通じますね。

K・T

atama+の解説でもたまにわからないことがあったので、先生にその場で聞いたり、ChatGPTに尋ねたりしていました。まつがくは気軽に質問ができるので、すごくよかったですね。

黒岩

僕も物理が好きだから、余計聞きやすかったかもしれないです。Tくんは、まず自分で調べてから聞きに来ていたので、教えるとちゃんと入っていくし、教えがいがありましたよ。その姿勢もすごくいいなと思って見ていました。

K・T

やっぱり、できるだけ自分で理解したいじゃないですか。

黒岩

研究者向きですね! 最後に、これから受験する後輩たちにアドバイスがあればお願いします。

K・T

英語はとりあえず単語をいっぱいやっておけば、絶対読めるようになります! あと、苦手科目はできるだけ早いうちから勉強したほうがいいです。

黒岩

説得力があります(笑)。Tくんのように、1年生から意識して勉強をコツコツ頑張って、少ない労力で部活と両立しながら合格するというスタイルは、この中野地域ではとても大事だと感じています。なぜなら、たとえば長野高校のように、高校のカリキュラムをこなしていけば共通テストに通用する学力がつく高校が少ないエリアだからです。全体的に学力が落ちていて、中学のテストで400点を超える生徒が数人しかいないという課題もあります。きちんと評定を取って推薦で合格するというロールモデルは、後に続く受験生の希望になるでしょう。

そういえば、Tくんが物理学者を目指したのは結構前からでしたよね。

 

K・T

小学生の頃には学級新聞に「天文学者になりたい」と書いていたらしいです。

黒岩

小さい頃からの夢を追い求めている姿が、すごくかっこいいなと思っていました。大学に入ってから楽しみにしていることはありますか?

K・T

物理の勉強がたくさんできるのが楽しみです。

黒岩

本当に物理が好きなんだね!

K・T 

大好きです。宇宙の壮大さに感動して、そのロマンに惹かれ続けています。

黒岩 

夢に向かって突き進んでください。応援しています!

 

 

取材・文/くりもときょうこ