高校受験のためにまつがく小諸駅前校へ入ったS.Hさんは、まさかの不本意な結果を経験して高校へ。変わっていく夢の中で、唯一中学生の時から変わらなかった「理科の先生」を高2の夏に“再発見”し、国公立大学教育学部に狙いを定めます。今度は最後までがんばりきることを自分に誓い、過去を成功体験に塗り替えます。3年半、S.Hさんの成長を見守ってきた校舎長の金井淳先生と合格までの出来事を振り返りました。
S.Hさんのデータ
●出身校/長野県野沢北高等学校 ●将来の夢/教員として働いて生徒と一緒に学んでいくこと
中3・7月 |
まつがく小諸駅前校に入塾 |
|---|---|
9月 |
苦手な英語、波のある数学をatama+で重点的に取り組む |
3月 |
野沢北高校理数科合格は惜しくもならず、同校の普通科へ進学 |
高1・4月 |
atama+の選択科目は英語・数学・物理・化学 |
5月 |
高2の終わりまで隔月で駿台atama+学力判定テストを受け続ける |
10月 |
上田高校で行われた医学部志願者講演会へ参加 |
高2・7月 |
横浜国立大の過去問に挑戦 |
3月 |
共テの理科選択科目について「化学基礎+生物基礎+物理」にしたいとの相談あり |
高3・5月 |
毎週土曜日の大学受験対策トレーニング開始 |
11月 |
共テ模試得点率:5月49%→7月47%→12月69% |
12月 |
出願先として東京学芸大学が挙がり、私立併願も含めて出願校を絞り込み |
1月 |
共通テストを経て前期は東京学芸大学に出願 |
2月 |
文教大学教育学部および東京学芸大学教育学部に合格 |
1 鍛えがいがありそう
高校受験はまさかの結果に
- 金井
Hくんは中3の7月に入塾してくれました。
まつがくに仲のいい友だちが通っていたのがきっかけだったね。
- Hくん
同じクラスの友だちです。まつがくのatama+は初めての勉強の仕方で、新鮮で楽しかったです。
- 金井
当時から理科の先生になりたいと言っていたね。あとはフライトドクター。
- Hくん
フライトドクターは単純にかこいいと思って。
あとは、理科が得意だったのと、中学の理科の先生がすごく面白く教えてくれたので、将来は理科の先生を目指すのもいいなと思ってました。
- 金井
Hくんの第一印象は「鍛えがいがありそうな生徒」で、一緒に勉強するのが楽しみでした。
実際中3の7月から12月にかけて、英語と数学のatama+の単元はすごいスピードでクリアしていきました。特に英語がすごかったね。
志望していた野沢北高校理数科は、評定もテストの点数も例年の合格ラインを超えていたんだけど…。
- Hくん
前期選抜も後期選抜も不合格でした。前期試験がダメで後期試験を受けることになった時に、自分の中で「普通科でもいいかな」という思いがあって、後期試験ががんばりきれなかったと思います。
結局普通科へ進学して、地域トップ校なので質の高い授業が受けられると期待していたんですが、自分の想像とは少し違っていて。
- 金井
決して高校の授業内容が良くないわけではなかったと思うんだけど、Hくんの期待がそれ以上に高かったのかな。
通学は小諸駅から1時間以上かかって大変だったので、学校帰りに時々まつがく中込駅前校も併用していました。
- Hくん
電車を1本逃した時になんかに使わせてもらってました。
- 金井
中込駅前校は駅のロータリー内にあるので、電車の待ち時間に使うのにちょうどよくてね。
ほんの1時間でも時間が有効に使えたのは大きかったと思います。
高校に入って趣味が広がる
- 金井
部活は最初はやらないと言っていたけど、結局は陸上部に入ったね。
- Hくん
中学で入っていた陸上のクラブチームの友だちが高校にいて、誘われました。
- 金井
Hくんは結構多趣味だね。
- Hくん
入学後に趣味が増えました。陸上部で仲のいい友だちが自転車好きで影響を受けたこともあって。あと、スマホを持つようになって情報に触れる機会が増えたこともあるかもしれません。
- 金井
高校生になると行動範囲もぐっと広がるよね。
高1の2月には、カメラを買いたいから塾代を節約すると言って2ヵ月休塾して。これはなかなか珍しいケース(笑)。
ちなみにHくんの写真はすごく雰囲気があって素敵ですよ。
- Hくん
ありがとうございます。写真を始めたのも高校に入ってからです。休塾する直前あたりから、
YouTubeでカメラのことを調べたり、カメラを文化祭に持ってきている友だちが楽しそうに撮っているのを見たりして、ハマりだしました。おかげさまで一眼レフを買うことができました。
- 金井
自転車で遠出して撮影してたよね。
- Hくん
結構遠く、上田市や長野市まで行ってました。長野市の陸上競技場に忘れ物をして、自転車で取りに行ったこともありました(笑)。
2 2番目の夢が本当にやりたいことだった
最終的に倒す“敵”の姿を知る
- 金井
Hくんがすごいのは「有言実行」ができることで、例えばテストで「次は学年何位くらい」と予告して、だいたいその通りの順位を取る。
それと「50位から上は周りが強くなるので、そのあたりから難しくなる」と言うような客観的な分析もできる。
高1の2月頃に英語がわかるようになってきたと言ってたね。多分、得意な理数系の思考を活かして英語に取り組んだことがよかったと思うんだけど、どうかな。
- Hくん
英語はだいたい決まった型があることに気づいてから、勉強しやすくなってわかるようになりました。
- 金井
構造に気がついたんだね。特に関係詞関係の質問はよく受けたな。どこがどこにかかっているかよくわからないって。
話は高2の夏に飛ぶけれども、ここで一度、横浜国立大の過去問に挑戦しました。この時の手応えは覚えてる?
- Hくん
覚えてます。もう全くわからなかったですね。
- 金井
その時はその前提で挑戦してるからね。
とにかく早めに“ラスボス”の姿を一度見てもらいたくて。それで初めて「ラスボスを倒すためには何が足りなくて、何をやればいいか」がわかる。
ただ漠然とがんばるのはツライけど、「あと何をどのくらいやればいいか」がわかればがんばれるし、計画的にも進められる。
そうでないと行き当たりばったりで、「大変なのに結果が出ない」ということになっちゃうからね。
- Hくん
金井先生から最初に、現時点での学力を知るためだから正答率は気にしなくていいと言われていたのでそんなにダメージはなくて、「こんな感じの問題を解くんだな」と知ることができました。
志望学部を教育学部に据え、やるべきことを絞りこむ
- 金井
途中で建築士や農業関係に興味を持っていた時期もあったけど、確か高2の夏ごろに、志望学部を教育学部へ絞り込んだんだよね。これは結構大きなターニングポイントだったったんじゃないかな。
- Hくん
1番目の夢として挙げていたフライトドクターも、あと建築も農業も、時間が経つうちにそこまで興味がないかもしれないと感じるようになって、2番目でもずっと抱いていた教育が本当にやりたいことなんじゃないかと思うようになりました。
それで教育学部に目標を変えたら数Ⅲが必要なくなったので、教科も絞り込めました。
- 金井
数Ⅲのあるなしは確かに大きい。
高2の12月にはプレ共通テスト模試にチャレンジしたね。本来は高3生が受けるもので、当然難しいんだけど、先ほどと同じで「どんなものか知ってもらうこと」が目的で。
この経験もこの後の展開にいい影響を与えたと思います。
- Hくん
とはいえ、やはりなかなか厳しい結果でした(苦笑)。
- 金井
そうだね。特に英語のリーディングが衝撃の6点で、英語は改めて力を入れていこうという話をして。
あと、どの科目も「時間内に解き終わらない」という課題が改めて浮き彫りになったね。
- Hくん
最後の最後まで、時間内に終わらないのが“通常運転”になっていました。多分、1問1問慎重に回答していきたい僕の性格が原因ですね。
- 金井
そこを自覚できたのが一番の収穫だったかも。
Hくんは普段の勉強でもそういう傾向があって、わからないところが解消されないと次に行けない。そこは私も常に意識して接していました。
時間配分については、高3の6月から始めた土曜大学受験対策トレーニングで特訓しました。
問1から問8までのそれぞれにどれぐらい時間をかけるかとか、配点が高い問7や問8を最初に解くといった作戦を立てて、試してみて、また調整して。
- Hくん
英語は本当に苦労しました。今思うと単純に読むスピードが遅かったのかもしれません。
- 金井
英語リーディングは、以前より少し減ったとはいえ、5600語以上を80分で解かなければいけないからね。とにかく高い処理能力が求められる。
3 大学受験は最後までがんばろうと意識した
深夜3時までかけて志願理由書を仕上げる
- 金井
夏休み前くらいから、共通テスト対策と並行して2次試験の小論文の練習も始めていました。
国立大受験は科目数が多くて大変だったと思うけど、夏休みから秋にかけて、上手にバランスよく得点を上げていったよね。
科目間の勉強のバランスはどんなふうに意識してた?
- Hくん
一応、毎日全科目に触れるようにして、プラスで足りてないところをやるようにしていました。
何をやったらいいかわからない時は、時間単位で振り分けて、限られた時間の中でどれくらいこなせるかという感じでやっていました。
- 金井
とにかく堅実にひとつひとつやって上げていったね。
- Hくん
高校入試の後期試験でがんばりきれなかった後悔がずっと心に残っていたので、大学受験の時は最後までがんばろうと意識していました。
- 金井
リベンジだね。
そして共通テスト本番。
- S.H.
目標は全体で得点率75%でしたが、思うようには取れませんでした。
- 金井
稼ぎどころの物理が難化してたのが痛かったね。
逆に、あれだけ苦戦していた英語のリーディングが72%、リスニングが84%だったのはよくがんばったと思う。
それで、悩んだ結果、国立の前期日程は東京学芸大学にして。
- S.H.
調べてみたら東京学芸大と横浜国立大で学べることが大きく変わるわけではないことがわかって、それならより合格率が高い方を選んで確実に先に進もうと思いました。
- 金井
そこからはひたすら2次個別試験対策。東京学芸大の2次試験は物理と理科の基礎科目1つ、そして小論文だったね。
小論文対策はまつがくの小論文添削チームの力も借りて。
- S.H.
東京学芸大の小論文は合格最低点が決まっていて、それを下回ると共通テストで何点取っていても不合格になるので、書き切らないといけない怖さがありました。それで、手に入るだけの過去問は絶対解いておこうと思って取り組みました。
- 金井
志願理由書もがんばったよね。出願締め切りの前の日の夜まで、googleドキュメントで一緒に作成したのも今ではいい思い出。
なんせ、前期の東京学芸大、中期の都留文科大、後期の京都教育大の3校分を同時進行で作ったからね(笑)。
- Hくん
オンラインで僕が書いたそばから先生が添削してくれて、出願ギリギリまでこだわってやりました。ありがとうございました。
- 金井
こだわればこだわるほど完成度が高くなっていって楽しかったよ。
3校とも教育学部だけど、特色やアドミッション・ポリシーがそれぞれ違うから使い回しはできないもんね。
常に学び続ける先生になりたい
- 金井
2次試験の当日はどうだった?
- Hくん
過去問を解いた時は、どこかでコケなければ大丈夫と手ごたえがあったので、不安や心配はあまりありませんでした。
実際、東京学芸大の2次個別試験は過去問より解けて、小論文もしっかり書けました。
- 金井
その前に文教大学教育学部へ合格していたのも安心材料だったね。
合格発表はどこで見たの?
- Hくん
ちょうど国公立後期日程の相談で学校へ行く日で、学校に着いたのが9時55分頃。合格発表は10時だったので、先生が慌てて「見よう見よう」と。
- 金井
私はLINEで報告をもらってホッとしました。事前の判定システムでA判定だったので大丈夫だろうとは思ってはいても、やはり当日は朝からドキドキソワソワしていたので、すごく嬉しかったです。
大学では教員になるための勉強もしながら物理もやりたいと言ってたけど、物理のどういう研究をしたい?
- Hくん
高校では少ししか学ばなかった原子のことをもっと勉強したいです。
- 金井
大学生活で楽しみにしていることはある?
- Hくん
行きたいところに自分で自由に行けるのが楽しみです。自転車も部屋の中に入るスペースがあれば持っていく予定です。
- 金井
改めて、将来はどんな先生になりたい?
- Hくん
楽しく教えることを大切にしつつ、それ以上に自分が楽しんで学び続けたいですね。「ここまでやればいいや」ではなく、その先も常に学んでいけるような先生になりたいです。
- 金井
いいね。
これから受験する後輩たちに、基くんからアドバイスをお願いできるかな。
- Hくん
各科目の勉強する時期、重点を置くべき時期を間違えないようにするのが大事です。
暗記科目だったら受験の直前にやるほうが効率的だったり、逆に基礎が重要になる数学や英語は夏に集中的に固めたほうがよかったり。
あとは、みんなが勉強していないときにこそ勉強する。自分で選んでやっている優越感のようなものが力になりました。
- 金井
Hくんが志望校へ合格できた理由は、客観的に自分を分析できるところと、自分の“運転”が上手だったところだと思います。
Hくんは出会った頃からずっと印象が変わらないんですよ。ブレがなくてマイペース、いい意味でこだわりが強くて頑固。
そして、もちろん力を抜くこともあるけど、押さえるべきところは確実に押さえる。外さない。だからずっと信頼して見ていました。
あと、内に秘めた情熱というか、自分が理科の授業で学ぶ楽しさを教えてもらったから今度は教える立場になって伝えたいというのがね、すごくいいと思うんですよ。
だから基くんのこれからには期待しかないです。本当によかったね。改めておめでとう!