卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

長野市の鶴吉美樹さんは、小学校3年生からまつがく長野柳町校に通っています。時間に余裕をもって基礎固めと受験勉強に取り組み、理想的なルートをたどって信州大学教育学部附属長野中学校(以下、信大附属中)に合格しました。

お父様がまつがく講師なので、つきっきりで万全の受験体制……かと思いきや、指導は他の先生にお任せすることに。まつがくでの勉強も、atama+の前により難しい四谷大塚にチャレンジするあえての難関コースを設定しました。お父様から受験や勉強の厳しい現実を突きつけられながらも、「きついけど、事実は事実だから」と冷静に受け止めて鶴吉さんは学習に励みました。

受験期間中、「大丈夫だよ」と美樹さんを安心させて支えたお母様と、鶴吉さんを入塾の時から見ている松下絢先生とともに、合格までの道のりを振り返りました。

鶴吉美樹さんのデータ

●出身小学校/長野市立三輪小学校 ●これからの目標・夢/将来の夢は薬剤師。マンガが大好き

小3・2月

姉と一緒にまつがく長野柳町校に入塾。四谷大塚の4年生算数・国語の受講からスタート。水・土の週2回、17:00~19:50(160分)のペースではじめる

小4・9月

四谷大塚の定例テストで国語が長野県内2番になる

小5・4月

四谷大塚の受講を終え、算数はatama+に切り替える。国語は論理エンジン、理科・社会はワークで5・6年生の範囲に取り組む

8月

受験のための作文練習をはじめる

10月

atama+の小学算数を完了し、中学数学の先取り学習をはじめる

小6・8月

atama+の中学数学は中2まで完了。受験勉強に切り替える

9月

面接練習をはじめる

12月

信大附属中を受験し、合格

現在

週6回(1回160分)通塾し、中3数学の予習を進める

1. 小3で姉とともに入塾

将来の夢を考えて……

松下

美樹さんは、小3の2月に入塾しました。きっかけは……。

美樹

父の職場だったからです。

松下

そうですよね。美樹さんのお父様の鶴吉先生は現在、長野駅東口校の校舎長です。入塾当初は、中学受験は考えてなかったですよね。

美樹

はい。将来の夢を薬剤師になると決めた時に、信大附属中に入って、長野高校に行って、薬学部のある大学に入るという目標が見えたことで受験しようと思いました。

薬剤師になりたいというのは、5年生の頃だっけ。

美樹

5年生だったかな?

松下

将来の夢を決めたほうがいいよという話をして、その時に出てきた目標でしたね。美樹さんは理科が好きだから、そこから薬剤師が浮かんできたように記憶しています。水溶液の実験とか好きでしたよね。

美樹

実験は好きです。

松下

三輪小から信大附属中を受験する人は、他にいましたか?

美樹

クラスで私の他に2人いました。

四谷大塚の授業からはじめる

松下

通常はatama+ではじめるところなんですが、鶴吉先生の意向もあって四谷大塚の授業からはじめました。もちろん、もともと学力が高かったからできたことではあるんですが。

atama+より難しいんですよね。

松下

はい、四谷大塚のほうが難易度は高いです。

美樹

問題が難しくて大変でした。

松下

入塾後約半年で四谷大塚の定例テストで、国語は県内2番の成績を取っています。

美樹

1回だけです。その時はたまたまよくできました。

松下

小5の4月という、そろそろ受験を意識するタイミングで、四谷大塚からatama+に切り替えました。四谷大塚は、有名私立中受験向けなんです。美樹さんが受験した国公立の附属中は、基本的に教科書内容からしか出題しません。四谷大塚は美樹さんの目標からするとオーバースペックなんですよね。

atama+に切り替えたら簡単だと言っていたもんね。お父さん、あえて最初に難しいことをやらせたんだね。

松下

受験勉強に移った時に苦労しないで済むようにということと、鶴吉先生から見たら中学受験はゴールではなくて、大学受験まで見据えての戦略だったんだと思います。

美樹

理科と社会はワークに取り組みました。

松下

国語は論理エンジンも使いました。美樹さんのことは入塾の時から見ているけど、ここは大変だったなとかスランプに陥るといったことが、びっくりするほどなかったです(笑)。

2. 「苦は楽の種」だった受験勉強

1回やると決めたから

作文は小5の8月頃からはじめて、受験直前まで苦労していた印象があります。

松下

毎週宿題として出して、おうちで書いてきてもらっていました。それを次週に添削するというのを繰り返していました。

美樹

赤字がたくさん入っていました。

松下

内容というより、原稿用紙の使い方や書き方についての赤字が多かったかな。美樹さんは入塾も受験対策も早くからやっていたけど、途中で嫌になることはなかったですか?

美樹

1回やると決めたならやりきらないと、と思っていました。

松下

お母様から見ても、美樹さんは決めたことはやり通す方ですか?

はい。自分で計画を立てて、計画通りにできるタイプですね。私は美樹には「勉強しなさい」と言ったことがないです。お父さんからの「次はいつまでにこれをやりなさい」という助言も素直にその通りにやっていましたね。自分でコツコツ勉強していました。

松下

すごいですね。作文上達のために、何かやっていたことってあるのかな。

美樹

特に何かやっていたというのはありません。私のクラスが特殊なのかな。「地球やばくない?」とか「政治家は何をやっているんだろう」という話題がふつうに出ていたので。社会で起きていることは、そこで何となく耳に入っていた気がします。

作文は、出されるテーマが難しく感じたみたいで、直前まで「こんなの書けないよ」とよく言っていました。覚えているテーマはある?

美樹

うーん、人付き合いやコミュニケーションに関連するテーマが多かったかな。「ありがとう」がテーマの作文もあった。

大変と言いつつ、ちゃんと締め切りの期日は守っていたので偉いです。

美樹

それは守らないとでしょ。

松下

面接は小6の9月からはじめました。最初からハキハキ受け答えができていたよね。

美樹

たくさん練習しないとマズいという感じではなかったですね。

松下

面接は、志望動機や自己PRなどのテーマごとにまず考えてもらった上で、考えた内容を伝える練習を繰り返しました。

厳しい現実を突きつける父

松下

5年生の10月にはatama+の小学算数を終えたので、先取り学習で中学数学に進み、そこから1年経たないうちに中2の数学まで終えました。信大附属中は過去問を公開しないので、似たような傾向の演習を受験対策としてやってもらいました。はじめたのは入試の4か月前でしたが、感触はどうでしたか?

美樹

atama+よりは難しいけど、四谷大塚よりは簡単という感覚でした。

松下

四谷大塚は大変だったけど、本番と似た問題で「あの時よりは簡単」と感じられるのは、心の余裕に繋がりますね。

美樹

たしかに、無理だなと思ったことはほとんどなかったですね。

松下

鶴吉先生は何かアドバイスなどされていたんですか?

たまに、わが子にも目をかけてほしいと言うことはあったんですが、「わが子だと感情が入るからダメ。他の先生に任せるのが一番」と言われていました。夫が見ている生徒さんのことは、がんばりすぎというほど面倒を見ているので。

松下

たしかに職場では熱い先生です。

そうみたいですね。家での夫は、勉強については現実しか言いません。事実かもしれないけど、きついなぁ……と。たくさんの生徒さんを見てきて、いろんな子どもたちの性格を知っているからこそなんでしょうけれども、隣で聞いていてもう少し何とかならないかと思うこともあります。勉強のやる気を失わせてしまいそうで。

美樹

結構きついけど、やっぱり事実は事実だから。

たしかに、受け止めなければいけないことではあるよね。

3. マンガはOK、ゲームは禁止

緊張した受験当日

松下

受験日は11月25日でした。直前はお母様からご覧になってどうでしたか?

直前はさすがに本人も不安だったようで、弱音を吐いていました。1週間から3日くらい前まで、「もし合格しちゃったら、中学までの電車賃がかかるから、大丈夫かな」とか、「落ちたらどうしようかな」とぼやくように言っていました。ああ、本人的に不安なのかなと。先生はどうご覧になっていましたか。

松下

美樹さん本人は普通にしているつもりだったと思うんですが、強がる感じがあったので、入試前はやはり緊張するんだなと感じていました。美樹さんは当日どうでしたか?

美樹

緊張しました。最初が作文で、やらかしてしまうんじゃないかと不安でした。理科の熱気球の問題も不安でした。

試験当日、私は仕事だったので、美樹はお友だちのお母さんの車で連れて行ってもらったんですね。待ち合わせ場所までは私が送ったんですが、お友だちと一緒に行けたことで、あまり緊張していないように見えました。お友だちのお母さんからは、「気遣いができて、すごくいい子だったよ」とLINEをもらいました。

合格通知を先に開封したのは……

松下

合格発表は1週間後でした。

美樹

郵便で通知が来ました。お父さんが受け取ったみたいで、先に勝手に見てた。

美樹が帰ってくるまで置いておく予定だったんですが、帰ってきたら開いていまして。お父さんが見てました。

美樹

家に帰ってきたらもう開いてるからびっくりしたよ。

お父さんダメだよね。松本先生(注:長野柳町校の校舎長)から「美樹さん、合格おめでとうございます」とLINEが入っていたので、結果は知っていたんですけど。お父さんからまつがくに連絡が行って、松本先生からのLINEで知るという(笑)。

美樹

絶対私よりも知るの早いじゃん。

松下

私は松本先生と一緒にいたので合格を知りました。松本先生からのLINEへのお母さんの返事がすごくシンプルだったので不安になったんですが、そういうことだったんですね。

そうだったんですね。

松下

鶴吉先生からはおめでとう以外には何か言われましたか?

美樹

記憶にないなぁ。そんなにすごく喜ぶというわけでもなく。お祝いでケーキは買ったけど。

松下

鶴吉先生はもう、高校受験と大学受験を見据えているのかもしれないですね。私自身は、本当に合格してよかったと安堵する気持ちが大きかったです。

母と姉とマンガ喫茶6時間

松下

受験勉強の息抜きはどうしていましたか?

美樹

マンガを読むとか、好きなことに没頭していました。

お姉ちゃんと美樹と3人でマンガ喫茶に6時間行きました。6時間でも足りません!

松下

すごい! 美樹さんはどんなマンガが好き?

美樹

『東京卍リベンジャーズ』とか、『葬送のフリーレン』とか。少年マンガが好きです。お母さんは違うよね。

私が好きなのは、王道の少女マンガです。子どもとは好きなマンガの路線が全然違うので、逆に子どもから布教されています。しかし、親子3人でマンガ喫茶6時間って、いいんでしょうか……。

松下

いいんじゃないでしょうか(笑)。

わが家はゲーム機禁止なんです。タブレットにモンスト(モンスターストライク)は入れているんですが、Switchのようなゲーム機は買いません。子どもたちには、自分で稼ぐようになってからどうぞと伝えています。

松下

ご両親の方針で。

はい。今の子なので、美樹は低学年の時から、他の子たちがゲーム機の話で盛り上がると孤独を感じると言っていたことがあって、家族会議をしたんです。一度持ってしまうと病みつきになってしまって、最初のうちは楽しいかもしれないけど、もっともっと刺激が欲しくなっていいことはないよと話をしました。

美樹

ゲームについては、今はもういいかな。マンガも十分面白いし。

姉の影響で先取り学習に力を入れる

松下

今は中学数学の中3範囲までもうすぐというところまで進んでいます。合格が決まったら英語対策ですね。

美樹

附属中の英語の授業は、日本語は一切ダメで英語だけみたいなんですよね。本気で英語を進めないと授業についていけない危機感と、お姉ちゃんからの影響でまつがくに週6で通っています。

お姉ちゃんは5年生から通っているんですが、結果がなかなかついてきていなくて、年末にお父さんから雷が落ちまして。それで、受験に対する気持ちが少し芽生えてきたかな。お父さんの「atama+は週2ではもったいない、週6くらい行かないと。中学生で週2は少なすぎる!」という鶴の一声で、ふたりとも週6回行くようになりました。お姉ちゃんは、集中力はあるんですが、やる気スイッチがなかなか入らなくて……。

美樹

お姉ちゃんはこれから中3で受験生だから、そろそろヤバい。

家だとリビングで勉強するしかないので、なかなか集中できない。それならば、勉強をやるしかない塾に行ってやろうという話になりました。1時間でも2時間でも、学習は積み重ねなので。

松下

当然ですけど、姉妹でもタイプが全然違いますよね。

正反対です。 美樹はだらけていても、気づいた時にはスイッチが入って勝手に勉強しています。お姉ちゃんは、いつやるのかな……いつかな……もう寝る時間だな……、という感じです。

松下

お姉ちゃんが回数を増やしたことで、美樹さんも増やそうかなという気持ちになったんですね。

美樹

入学後、授業についていけるか不安で。そのための準備です。

松下

中学ではやってみたい部活はありますか?

美樹

うーん、部活はやってみたいものがない……。

松下

これから中学受験する人に向けて、美樹さんからアドバイスがあればぜひ教えてください。

美樹

なんだろう……。あっ、中学受験でやるような作文はなかなか小学校ではやらないので、そこはがんばったほうがいいと思います!

松下

ありがとうございます。附属中は定期テストが難しくなるので、そこをしっかりがんばっていこうね。

美樹

はい。

松下

附属中から長野高校へ行くには、定期テストで平均以上取る必要があります。美樹さんは「学年順位50番以内」と目標設定していましたね。1学年140人だから、ざっくり上位3分の1以内という感じですね。

美樹

学年順位50番以内は、お父さんから言われました。

松下

お母さんから美樹さんに伝えたいことがあれば、ぜひお願いします!

勉強ばかりじゃなくて、いい人間関係も築いてほしいですね。お父さんからも、「社会に出たら人間関係はとても大事なので、友達は大事にしなさい」と言われるんです。(笑)。

美樹

(手を合わせて)どうかいい友だちができますように、お願いします!

楽しい中学生活が待ってますように!