〈入試問題分析2021〉英語の出題傾向と変更点【新潟県高校受験情報】

〈入試問題分析2021〉英語の出題傾向と変更点【新潟県高校受験情報】

こんにちは。

超個別指導塾まつがくの円山です。

 

令和3年(2021年)の公立高校一般選抜が3月4日に行われ、3月12日に合格発表がありました。

この記事では英語の検査問題を振り返り、今回の出題傾向や設問形式の変更点と今後の見通しについてお話します。

 

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〈入試問題分析2021〉国語・数学の出題傾向と変更点【新潟県高校受験情報】

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〈入試問題分析2021〉理科・社会の出題傾向と変更点【新潟県高校受験情報】

 

目次

  1. 全体概要
  2. 大問ごとの変更点
  3. 今後の傾向と学習アドバイス
  4. おわりに

この記事は5分程度で読み終えることができます。

 

全体概要

令和3年入試は大学入試改革の影響、学校独自検査の方針転換によって検査内容や形式に例年以上の大きな変化が見られました。

特に英語は昨今の教育改革を受けて大学入試の傾向に寄り添うような出題形式に変わった印象があります。

それは料の読み取り問題日本語記述問題の減少英文記述解答の増加などから見て取ることができます。

 

大問ごとの変更点

大問1…リスニング※変化

(1)と(2)は出題傾向、形式ともに例年通り。安心してスタートできた生徒が多かったと思います。

(3)では大きく形式が変化し、問題数が2問に減少して解答が短文の記述式でした。
例年は問題数が4問、解答は単語の記述だったので戸惑った生徒も多かったかもしれません。

ただし放送分自体が短いことと、英問英答は長文で毎年出題されていることから、対策をしてきた生徒にとっては問題形式の変化に惑わされなければ難しくなかったと思います。

 

また、問題数とともに配点も変化しました。

(3)が各3点で問題あたりの配点は変わりませんが、問題数が4問→2問と減ったので6点分が減少
その代わりに(1)が各3点と上がったので(昨年は各2点)、4問で4点分が増加
(2)は各3点で例年通りなので、大問1全体の配点は30点と例年より2点減少しました。

 

 

大問2…会話文からの資料読解+英作文※変化

まず例年は大問2で対話文読解、大問3で英作文が出題されていましたが、今年は大問2が英作文、大問3で対話文読解出題の順番が変化しました。

加えて英作文の大問は英作文1問のみの出題が多いのですが、今回は(1)で資料の読解が出題され2問構成となりました。少なくともここ20年では例のない形式です。

 

問題ごとで見ると、(1)は会話文から資料を読み取る問題が出ました。

資料の読解が文として出題されるのは目新しいですが、実は同じような形式の問題が例年リスニングの(2)4問目で出題されています。
問題として難易度も低いので対応できた生徒は多いのではないでしょうか。

 

(2)の英作文「どのボランティアをやりたいか」の説明がテーマでした。
これは「バスと自転車どちらで行くか」が出題された平成31年と同じような回答の型になりそうです。

新潟の英作文ではメールの返信やスピーチ文の形式が多く、内容も日本文化や学校の紹介などが頻出で、そちらを優先して定型文を覚えていた生徒は苦戦したかもしれません。

 

配点は(1)4点、(2)8点
後述しますが今年は大問4でも英作文が出題されており、そちらも8点の配点でした。

例年では英作文は配点が10点ですが、今年は英作文のみで16点の配点となりかなり比率が上がっています。

 

 

大問3…対話文※変化

前述のとおり大問の出題順が変化しましたが、それ以外は本文内容・設問内容ともにおおむね例年通りテーマは「海外で働く日本人の紹介」で、国際交流や文化の違いといった頻出の題材です。

(1)の適語補充問題が記述ではなく選択式で出題されたことは目新しい変化でした。

 

特筆すべきは日本語記述問題の減少です。

「下線部の内容を日本語で説明しなさい」という設問は、ここ数年は対話文で2問、長文で3問の計5問が出題されていました。

対して今回の日本語記述問題は対話文で1問、長文で1問の計2問

配点が計8点で、昨年が計22点あったのと比較すると今回は半分以下に変更されました。

 

 

大問4…説明文※変化

本文は三人称視点の物語文で、新潟県の入試では非常にまれな形式でした。
新潟県の長文は一人称のスピーチ文や説明文形式が多いのであまり読み慣れていない生徒も多かったかもしれません。

 

出題形式は(1)~(5)はほぼ変化なし

例年出題されていた「次の英文が本文のどこに入るか」という設問が今年はありませんでした。

 

受験生にとって一番衝撃だったのは、(6)で2つ目の英作文が出題されたことでしょう。

テーマは「あなたがこれまでにうれしいと感じたこと」で、前例が少なく型にあてはめにくい問題でした。ラスト1問で出てきたこともあり、時間が足りなかった生徒も多いと思います。

 

配点も変化しました。

日本語記述問題が減った分、記号で解答する本文読解問題が各4点に増加しました(例年は各3点)。

前述のとおり英作文の配点は各8点でした。

 

今後の傾向と学習アドバイス

今回英語は例年とは大きく違う出題傾向がみられました。
これに対応するには、普段の勉強の進め方や意識を変えていく必要があります

主な変更点を振り返りながら確認していきましょう。

 

①リスニング(3)の設問が短文記述に変化

英語の質問を聞いて英語で答えるというのは英語4技能のスピーキング能力にあたります
中学校の授業内容でも英語でやり取りすることが増えてきていますが、そういった機会に積極的に取り組みましょう。

短文の英語は考えなくても自然と返事が出てくるくらいに繰り返し口にすることが重要です。

 

②日本語記述の減少

これまでの入試では、リーディング能力を測る「文章読解」「英文和訳」の問題が多くありました。

しかし今回の出題傾向から、英語4技能をバランスよく鍛えることの大切さを感じられるのではないでしょうか。

 

実は近年の教育改革で顕著なのは文量の増加傾向です。

大学入試では数年前から、「内容は読みやすいが非常に長い文章を読んで回答する」という問題が増えてきています。

求められる能力が、英文を細部まで読み解いて正しく訳す力よりもおおまかな話の流れを誤解せずに文章全体の意味を読み取る力をより重視するように変化しているということです。

高校入試でも近年は大問3・大問4ともに本文の文量が増加してきており、長い文を早く読み解く能力が求められています。

今後の受験生は英文の意味が分かるだけでなく、スピードも常に意識しながら学習することが非常に重要だということを肝に銘じておきましょう。

 

③英作文の増加

従来の新潟県の入試では英作文はある程度の型があり、定型文を2、3パターン覚えてあてはめれば10点中の6~8点は取れるような出題でした。
ですが、そういった試験対策では本物の英語力が身につくとは言いにくいでしょう。

今回の入試では設問内容自体は従来と似ていますが、出題数の増加からこれまでとは違うぞという出題者の意思が感じられます。

今後は的を絞って、型を覚えて試験対策するのではなく、さまざまな英語構文を使いこなして自分を表現できる英語力が求められています。

 

それを鍛えるには、新しい文法を学習するたびにそれでどんな文が作れるのかを考えてみる勉強法が有効です。

例えば「一般動詞の否定文」を学習したときに、それを使って例文を自分で考えて作ってみましょう

初めは例を考えるのが難しいと思いますが、「意味が分かる」と「使える」の差を埋めるには必要な練習です。

 

おわりに

今回は令和3年(2021年)入試問題の振り返り(英語)をしました。

例年以上の大きな変化がありましたが、これは猛烈なスピードで変化していく日本社会や国際情勢を映し出しています。
日本も国際社会で置いて行かれないように、世界をリードしていけるように教育改革が進められています。

そのため、今年変化したから来年は同じだろうという考えは通用しない可能性が高いです。特に今後3~5年は大きな変化が続くのではないでしょうか。

この流れに対応するには、形だけ覚える勉強では不十分です。学生のみなさんは聞かれ方や出題形式に左右されない、応用可能な知識の身につけ方が必須だということを意識しましょう。

 

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